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計画研究A04 「多様な観測に連携する重力波探索データ解析の研究 」

研究課題名 多様な観測に連携する重力波探索データ解析の研究 
研究代表  大阪市立大学・大学院理学研究科・教授  神田展行
研究分担者
 大阪大学・大学院理学研究科・助教         田越秀行
 山梨英和大学・人間文化学部人間文化学科・准教授  高橋弘毅
 新潟大学・自然科学系・教授            大原謙一
 東京大学・大学院理学研究科・特任助教       伊藤洋介

連携研究者
 国立天文台・重力波プロジェクト推進室・研究員   端山和大
 東京大学・地震研究所観測開発基盤センター・准教授 新谷昌人
 国立天文台・光赤外研究部・助教          辰巳大輔

本計画研究の背景

重力波の検出・観測は、アインシュタインが一般相対論で重力波を予言して以来の悲願であるが、 日本でも大型低温重力波望遠鏡 KAGRA 実験(旧称 LCGT )が 2010 年度より建設開始された。 KAGRA と海外の実験が本格的な観測に入る2016年後半から2018年頃に、世界的な重力波観測ネットワークが構成される。重力波の検出・観測は、動的(非定常)で強い重力場に関する一般相対論の検証につながる重要な基礎物理学の課題である。
また、KAGRA 実験が観測をめざす重力波源は、 中性子星やブラックホールからなるコンパクト連星の合体、超新星爆発といった高エネルギー天体現象であり、γ線、X 線、赤外・可視光、ニュートリノなどでも強い源となることが期待されている。 すなわち、重力波観測と従来からの天体観測の同時イベント探索や相互フォローアップにより、高エネルギー天体現象の正体について新しい知見が得られる。そのために、日本のKAGRA実験の観測データを確実に処理・解析し、国際的な共同解析を行う必要がある。また、その他の天体観測との間で迅速な情報交換を行う事が期待されている。


連星合体とその重力波

本計画研究の目的

重力波検出実験のデータをすばやく処理する‘‘探索解析パイプライン’’を開発・実装し、KAGRAのデータを解析する。
そして、重力波の発見を目指す。特に、他の天体観測と相互フォローアップを可能とするために重力波イベント速報システムを開発する。
重力波観測網は、到来時間差を利用して重力波源の方向を求めることができるため、電磁波などの観測と協力することで、天体物理現 象の解明に寄与することが期待されている。例えば中性子星連星の合体はガンマ線バースト (Short GRB) の源ではないかと目されているが、重力波は合体以前から放射されている。よって、重力波 を早く検知することができれば、その情報を電磁波観測の望遠鏡に素早く伝えることで、ガンマ線 バースト発生のごく初期からバーストを捉えることが出来る可能性がある。また速報だけではなく、 重力波の検出後に、複数の観測、なかんずく多様な観測情報をもちいて重力波源の正体を詳しく解明するための解析は重要な研究課題とする。



本研究で構築するデータ解析(探索解析)のパイプラインと他の計画研究/観測との関係


KAGRA(と重力波観測網)で解析可能なすべての重力波を想定してすすめるが、そのなかでも速報性を要求される突発的なイベントの探索解析をおこなう “速報イベントのためのパイプライン” は特に力をいれて開発する。KAGRA の 観測データは各探索解析パイプラインに渡され、解析結果は重力波の “イベント候補速報” としてま とめられる。この速報と、世界中の他の天体観測との同時性解析をおこなう。また国際重力波観測網 の一部としての解析も行う。有為な同時性がみられれば、重力波イベントの発見となる。これらの、 重力波イベント探索ソフトウエアの開発、解析パイプラインの構築、同時性の解析(統計的な扱いも 含む)が、本研究の重要な研究内容である。 波源天体の方向、距離、内部構造などの諸性質についての詳しい解析も研究課題である。

スケジュール


本研究のスケジュール

リンク

計画研究A04 Wiki ページ